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英語の必要性は感じている。では、どこからどのレベルまでを学ぶべきか?

技術の多くはアメリカからやってきました。日本は技術の輸出先として大きなマーケットだったので、日本語版の技術ドキュメントや解説書も作成されてきました。しかし今はアジアの諸国をはじめ各国が技術の輸出先です。技術開発の速度からそれぞれの言語への対応には限界があり、英語仕様が標準になってもおかしくない状況です。つまり日本語版のマニュアルは稀なケースだったのかもしれません。これは将来、日本と他の諸国との間の技術情報に格差を生じさせないとも限らない話なのです。

実務としての英語の必要性と英語ができるメリット

「日本語のマニュアルがなくなる」のは極端な例にしても、英語ができる技術者なら真っ先に最新のマニュアルや関連のドキュメントに接することができます。インターネット上に技術上のトラブル回避策などが共有されているのをご存じと思います。英語ができれば、そのような世界の知識を共有でき、世界レベルの最先端を知る技術者になれるかもしれません。

差し迫った問題としては、日本企業の海外進出です。IT技術者(SE)の求人の際に英語が採用条件となっている企業の率を見てみましょう。

 IT企業SE=19%、一般企業の社内SE =40%(2013年10月DODA求人調べ)

国内中心のIT企業より海外進出が命題の一般企業の方が、SEに英語力を求める率やそのレベルも高いという調査結果が出ています。

問題は「なにをどこから学ぶか」

次の3つから整理して考えてみましょう。

1. 英語を学習する目的から考える

一般の英会話教室は旅行やホームステイでの利用が主目的で、ビジネスコースでも汎用的な場面設定が多く、技術の現場では参考にならないことも多いようです。英検やTOEICも履歴書は飾れても技術現場で実践の英語に役立つとは限りません。いま必要なものや近々想定される必要性から考えてみるのが間違いなさそうです。
①    技術文献を英語で読む必要性がある/必要性が高くなりつつある
②    海外のカンファレンスに出向く必要性がある/必要性が高くなりつつある
③    取引先の海外の人と打ち合わせをする必要性がある/必要性が高くなりつつある
④    オフショアなどで仕事を連日発注する、または技術指導をする必要性がある/必要性が高くなりつつある

その英語を使う頻度や環境もあわせて考えてみましょう。例えば、海外に駐在するのならまだしも、短期の出張や電子メールやテレビ会議を通してのコミュニケーション程度ならば、ネイティブに近い発音や広い単語数の必要度は低いと言えます。

2. 英語を習得するレベル(目標)を決める

「英語が話せる」ことは必ずしも必要ではない場合もあります。「読む」「聞く」「話す」「書く」のうち必要性の高いものから学ぶのが近道です。
「英語の技術書や仕様書を読む」のなら「読む力」を中心に養います。「英語の指示書を書く」機会が多いのなら「書く力」、「英語のプレゼンが求められる」レベルならば「話す力」と「表現する力」まで身につけることを考えなければなりません。

3. 学び方や要領から習得する

技術書を読むにも最初は辞書を引かず、知らない単語を飛ばして速読し、大意をつかめることが大切です。英語で見聞きしたものをそのまま英語で考える「英語脳」にするための訓練です。これができなければヒアリングではさらに苦労します。英語で「書く」「話す」も同じことで、学校で学んだ「英文を正しい日本語に訳す、あるいは英訳する」やり方では実用英語は身につきません。

英語の会話やメールでは、今知っている英単語だけでコミュニケーションを成立させることが大切です。語彙力が充分になってからと考えてしまうと、いつまでもコミュニケーションの機会を持てません。その意味では専門用語の英単語が仕事上ではまず重要で、経済紙にある経済関連の英単語を覚えても役立つ機会は少ないことになります。

実際の場面では

そもそもネイティブではないので完璧さは求めないこと。「仕事が完了すれば目的は達せられる」程度の気持ちで、当初は厳密な発音や文法などは考えなくても大丈夫です。「英語」は異なる民族のコミュニケーションのためにある言語です。日本語のように「てにをは」の違いでとやかく言われる世界ではありません。伝えようとする内容が重要なのです。アジアの技術者は達者でなくても、その必要性から英語を堂々と使っています。
会話が苦手ならチャットを使う、ヒアリングに自信がなければ会議の後に議事録を英文で送る、自動翻訳機でスペルチェックをするなど、利用できるものは利用することで、弱点を補いつつ英語を実践で使うこともできるのです。

まずは試してみる

興味のあるものから学ぶのが上達の早道です。現在関わっている技術の日本語マニュアルや文献などの英語の原文を当たり、それを読んで日本語版とつき合わせてみることで双方の理解が深まる場合もあります。その会社の母国の英語サイトを閲覧したり、関連技術の解説や技術者のブログを読み、質問のメールを送ったりするのもよいでしょう。会話については仕事の実状にあったコースはほとんどないかもしれませんが、あいさつや休憩時の日常会話の初歩ができるだけでも、その後の仕事上のコミュニケーションを円滑にします。英語教室の日常会話を学ぶのも、その意味ではひとつの方法です。

目的設定のうえでの集合研修

英語を実践で活用し仕事に活かすには目的に合わせた最短方法を考えることが重要であると述べました。しかし個々のエンジニアに任せていては英語力に差が出てしまいます。海外からの電話やメールなどが、特定の英語のできる人に任せきりになってしまうこともあります。そういう役割を嫌い、さらに英語を敬遠する人を増やさないとも限りません。
会社や事業部のビジネスの方向性と英語力の必要性、その目標とレベルなどを一度整理し、集合研修などで全員が学習機会を持って共有化することが、会社全体で英語対応力をつける第一歩といえるでしょう。

参考文献

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