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デジタル時代の新入社員を輝かせるために 先輩社員のための5つの振る舞い

新入社員向け研修を終えたピカピカの新人さんがいざ職場にやって来たものの、「数日で出社しなくなった」「1か月待たずに退職した」といった話は絶えません。作り話のようなにわかには信じがたいものから、「新人あるあるだね」と共感してしまうものまで、さまざまです。

専門的な勉強に没頭できる貴重な学生生活中、授業を欠席したり交通費や宿泊費をかけたりして過酷な就職活動を経験しているのに、入社後ミスマッチが発覚するのは本人にとっても会社にとっても残念なことです。

毎年奏でられる不協和音、解決に向けて

説明会や採用選考で感じていた雰囲気と、実際に職場に入ってから感じた雰囲気とが違う「思ってたんと違う」は、職場に慣れてしまった多数派からは新入社員が過度な期待をしていたのだと捉えられがちです。

他に目を向けてみると、採用担当者が採用プロセスを踏むのに精いっぱいで、内定受諾後から入社までの間の迷える内定者に入社後の展望を伝えきれていなかったのもあるかもしれません。採用担当者によっては、内定を辞退されないように、内定者研修やメール・電話でのやり取りをするなどの工夫をしています。職場としても、春や秋の入社式まで漫然と待つのではなく、歓迎していることを伝えられるとよいですね。OB・OG訪問を受け付ける現場の雰囲気を織り交ぜて伝えられるように採用担当者に協力を申し出るなどが効果的です。

個を尊重することから始めよう

新入社員を受け入れる現場はどうでしょう。「生意気」「常識がない」と決めてかかってはいませんか。何を決め手に選考を通過したか採用担当者に聞いたり、本人の希望に対してOJTがどのように貢献できるか示してあげたり、不満を察知したら早めに上司や人事に報告したりといったフォローはできているでしょうか。日報や週報をメールで送ってもらって、席は隣なのにメル友状態とならないように、最初の内は対面でざっくばらんに話し合える時間を定期的に設けた方がよいでしょう。

新入社員と一言で言っても、採用される人は一人一人まったく異なる背景を持っています。「ゆとり世代の次はさとり世代」と言ってみたり、「○○型」と世代によってタイプ分けしてみたりというのは、話題性は高いですが、個に焦点を当てることには反しています。どのような新入社員が来たにせよ、まずは本人の希望と能力を聞き、課題を設定しましょう。「電話応対に慣れていないので、外線着信はすべて取って慣れる」というようなものからでもかまいません。自信をつけたら次の課題設定へと進みます。

中には、先輩社員顔負けの優秀な新入社員もいます。できるからといって放置されていると、年次を重ねるうちに一層放置されるのではないかという不安や不満が高まってしまいます。この場合は、新入社員を育成しているという意識を取り払い、「新鮮な目で見て、どうしたらもっと働きやすい職場になるか」「事務処理を効率化できるか」など話し合い、実現に向けて先輩として力添えしてはどうでしょう。色々と気づくことはあっても、新参者は発言しづらいものです。主張に賛同してくれる味方を増やせるよう社内の人脈を作るのも、会社生活では大切なことです。また、技術者コミュニティや地域ボランティアなどの社外でのつながりで得た知見もどんどん出してもらい、社内から新たな価値を生み出すきっかけになるよう働きかけてはどうでしょうか。

On the Job Unlearning

新卒採用は単に社内人口を若返らせるのが目的ではありません。変わりゆく時代に会社がついて行けるように、新しい風を吹き込むことです。新入社員との接点で戸惑うことがあれば、それまでの常識を疑ってみましょう。自分が鍛えられたやり方を試しても新入社員に響くとは限りません。むしろその指導法よりももっと負荷が低くて効果があるやり方に気づくきっかけになるかもしれません。

たとえば、私が入社した頃は、先輩が一仕事を終えて帰って来た後、夜遅くまで会議室にこもってマンツーマンでプレゼンの指導を受けたりしたものです。先輩は結婚したばかりだったので、不甲斐ない私のために残業させて申し訳なく思っていました。
自分が先輩社員として新入社員を指導することになったとき、プレゼンの自己リハーサルを動画に撮ってサーバーに格納してもらい、手が空いたときに見るという方法を試しました。早く帰りたいし、動画なら早送りできるので(笑) 物理的に一緒にいる時間を減らしても、悩み相談など直接向き合う時間は大切にして、質を上げたと言うとかっこいいでしょうか。

このように、OJTは、新入社員にとってはトレーニング、先輩社員にとってはアンラーニングの機会となります。

【ロールプレイ型eラーニング】体験型新人トレーナー研修 ~新入社員のやる気を引き出すコミュニケーション~

新入社員は数年で先輩社員の座につく

職場の和を尊ぶ日本企業にとって、会社の一員として早くなじんでもらい、連綿と培われてきた暗黙知を伝えるためのOJTは欠かせないイベントと言えます。密に接する機会ですから、こちらから一方的に与えるものと考えず、自分も教えてもらうのだという姿勢を持ちましょう。

組織の中で人を育てるというのは、最初のOJTの期間だけ伴走することではありません(それだけでも結構大変ですが)。その後数十年にわたって職業人として働き続けるための素地を作ると言っても大袈裟ではないのです。そこまで見届けるのは難しいので、まずは新しい環境に放り込まれて不安を覚えている新入社員が、数年後には後輩にペイ・フォワードしたいと思ってくれる若手社員に成長することを見届けましょう。
自分の指導した後輩が、新入社員の指導を任されて、頼りにされている姿を見られるのは、先輩たちにとって願ってもないことです。

今回のポイント

  1. 新入社員に入社前から期待し、歓迎の意を見せる
  2. 本人の希望と能力を聞き、個別の課題を設定する
  3. できる新入社員が力を発揮できるよう力添えをする
  4. 新たな風に身を任せ、自分のやり方をも疑ってみる
  5. 独り立ちしてくれるときに、指導の効果を振り返る

著者情報

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DIP編集チーム N

巷の情報格差を埋めたいと言って未経験からIT業界に乗り込み十数年。情報を受け取る個人だけでなく、情報を提供する側の努力も求められると考えるようになった。それでいて、PCの操作に困った母親を助ける役割が自分からサポセンのスタッフ(日本語が母語でない)へと移り、驚きや感謝と共に一抹の寂しさも感じている。歌の歌詞をなかなか覚えられず、絶対音感を持て余し気味。

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