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女性社員が活躍する組織を!ダイバーシティマネジメントのカギ「フォルトライン」とは

女性が職業生活において活躍できる環境を整備するための「女性活躍推進法」が、2016年4月より制定されました。労働者301人以上の企業においては、女性の活躍推進に対する行動計画の策定などが義務付けられます。この法律をきっかけに、「20XX年までに女性の登用率を○%まで引き上げる」といった目標を立てている企業や、目標の導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。女性の登用率向上により、ダイバーシティあふれる組織が実現し、業績への好影響を期待している方もいらっしゃるかも知れません。

しかし、登用率○%という数字のみを目指してやみくもに女性を採用しても、業績にプラスになるどころか、マイナスの影響が出ることすらあります。ダイバーシティ組織を運営する勘所をしっかり押さえたうえで、採用・登用・マネジメントをしていく必要があるのです。

組織の分断線:フォルトラインとは

ダイバーシティ組織をマネジメントするカギのひとつに「フォルトライン」という考え方があります。フォルトラインとは、組織のなかにあるグループを分断する線のことを指す概念です。例えば4人のグループにおいて、4人すべてが営業部の男性であれば、職種・性別という要素において複数のグループに分断することができないため、フォルトラインは存在しません。しかし、4人中2人が営業部の女性だった場合、性別において男性・女性というサブグループに分断されるため、フォルトラインが存在することになります。

フォルトラインには強弱があり、サブグループ内で属性が近く、サブグループ間で違いが大きいほどフォルトライン=断層は強くなります。例えば下記のような組織があったとします。

組織A:営業部男性 人事部男性 営業部女性 人事部女性

組織B:営業部男性 営業部男性 人事部女性 人事部女性

組織Aは営業部というサブグループのなかには、男性と女性が配属されており、サブグループ内の属性は近くありません。一方組織Bは営業部内に男性しかおらず、サブグループ内の属性が近いと言えます。また組織Bは営業部・人事部・男性・女性がきっぱり分かれているため、サブグループ間の違いが大きく、組織Aよりも組織Bの方が、フォルトラインが強い状態と言えます。

フォルトラインが強まるとパフォーマンスに悪影響を及ぼすことも

フォルトラインが強い状態、つまりサブグループ内で属性が近く、別のサブグループとの違いが大きい状態では、人々は「サブグループの内と外」という一種のなわばり意識を強く持つ傾向にあります。この意識がある状態だと、対立が生まれ、情報共有や創造性、意思決定などのグループプロセスに悪影響を及ぼすことが実験で明らかになりました。

また性別・年齢・人種などの人口統計学的属性によるフォルトラインが強い場合は、感情的な対立につながりやすく、結果として組織のパフォーマンスに悪影響を与える可能性があることが分かっています。逆に勤続年数、スキルなどのタスク関連に基づくフォルトラインが強い場合は、サブグループ間での情報交換により互いに有益な情報が得られ、結果的に組織が良い方向性に向かう可能性が高くなります。

ここまでの議論を整理すると、ダイバーシティ組織においては

  • フォルトラインが強くなり過ぎないように人の配置を行う
  • 人口統計学的属性によるフォルトラインよりも、タスク関連に基づくフォルトラインを強めるようにする

という2点が重要になります。

ダイバーシティ環境におけるリーダーの公平性

しかし、フォルトラインが弱い場合でも、リーダーの役割次第では逆効果を与えることもあるため要注意です。フォルトラインが弱い状態とは、言い換えると自分と似た属性を持つ人が少ない組織であり、似た人が多い場合に比べて安心感や帰属意識が減少します。そこでリーダーが各メンバーを不公平に扱うと、メンバーは自分の価値を否定的に考えるようになり、パフォーマンスが低くなる可能性が指摘されています。ダイバーシティ組織をリードする際には、各メンバーに公平に接することが重要と言えるでしょう。

参考文献

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