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Chatbotが示唆する「コンピューターとの新しい分業」

Chatbotは、近年の人工知能技術の目覚ましい発展により生まれたサービスのひとつです。現在展開されているサービスでは、定型的なやり取りや短めの会話など、まだまだ基本的な事柄しかこなせないように見えます。しかし、将来的にはあなたの職場にまで深く入り込み、Chatbotを使いこなせるかどうかがあなたの市場価値を左右するようになるかもしれません。

おさらい:Chatbotとは何か

そもそもChatbotとは何でしょうか。Chatbotとは、人工知能技術を用いて、ユーザーとの対話の中で問題を解決したり、ニーズを満たしたりするサービスのことを指します。

例えば、従来のタクシー配車アプリでは、

  1. アプリ上の配車ボタンをタップ
  2. GPSによって表示された自分の居場所をチェックして確認ボタンをタップ
  3. 行き先を入力してタップ

……といった形で、ユーザーが一方的にインプットをしてからサービスを受けます。

しかし、Chatbotの代表である「WhatsApp TAXI」では、メッセンジャーアプリのWhatsAppのBotに対して、「○○まで今すぐタクシーを回してほしい」という文章を送信するだけでタクシーを手配してくれます。タクシー会社に電話をして配車担当者と会話するかのごとく、Botにメッセージを送信すると、メッセージ内容を解析して適切な返答とサービスの提供をしてくれるのです。

またスケジューラサービスの「x.ai」(エックスドットアイ)は、スケジューリングを行いたいメールのCCに人工知能である「x.ai」のメールアドレスを入れるだけで、相手との日程調整を自動で行ってくれるサービスです。「x.ai」は相手から届いたメールとあなたのカレンダーの空き状況を解析し、最適なスケジュールを判断したうえで、自然な文章で書かれたメールを送付してくれます。相手から「午前中がいいな」といった要求が来ても、柔軟に対応することができます。

まさに人工知能が、あなただけのパーソナルアシスタントを演じてくれるのです。

将来生き残る人材像は「Chatbotとともに働ける人」!?

では将来Chatbotがさらに進化したときに、あなたのキャリア人生にどのような影響を与えるのでしょうか。ヒントのひとつは、経済学者のフランク・レビーとリチャード・マーネインが2004年に発表した「新しい分業」という概念です。彼らは著書の中で「人間はコンピューターに対して“比較優位”を持つ仕事に専念すべきであり、コンピューターにはコンピューターに適した仕事をやらせるべき」という考え方を披露しました。つまり、アルゴリズムが真価を発揮するような単純作業はコンピューターに、それ以外の状況が刻々と変化するような作業は人間に、という思想です。

例えば、前述のスケジュール設定について考えてみましょう。スケジュール設定作業のプロセスには、それほど多くの例外的処理はありません。自分のカレンダーと相手のカレンダーの空いている時間を照らし合わせたうえで、いくつかの条件(前の予定との移動時間の考慮や、ランチミーティングなら昼間、といったもの)を回避する最も適切な時間帯を選ぶだけです。そして何より、スケジュールの設定作業自体は、ほとんどの場合 何の付加価値も生みません。このような作業は、積極的に人工知能にやってもらい、人間はその他の生産的な仕事に多くの時間を割くべきでしょう。

人工知能技術によりコンピューターの守備範囲は飛躍的に広がっており、将来的にはコンピューターに任せられる仕事はどんどんと広がっていくはずです。その際に、コンピューターに任せるべき仕事、自分がやるべき仕事の線引きを常に見直し、コンピューターとタッグを組んで最高のパフォーマンスを出すよう「分業」できる人が、これからの人材市場では求められていくのではないでしょうか。これまでの仕事のやり方にとらわれず、柔軟に対応できるようにしておきたいものですね。

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