デジタルでちょっと先の面白く、を考える情報マガジン『DIP

DIP Digital Innovation People

お問い合わせ

デジタル

IoT検定からひも解く IoT人材に求められる役割と資質とは

IoT検定制度委員会主催のIoT検定が、2016年5月11日から申し込みがスタートしました。これからますますの発展が見込まれるIoTにおいて、IoT人材の育成支援などを目的にした資格です。IoT検定で出題される内容について確認するとともに、出題内容から垣間見えるIoT時代に求められる人材像についても確認していきたいと思います。

技術のみに留まらない 広範な試験範囲

2016年6月現在、IoT検定の出題範囲は以下のとおりとなっています。

  • 戦略とマネジメント
  • 産業システムと標準化
  • 法律
  • ネットワーク
  • IoTデバイス
  • IoTプラットフォーム
  • データ分析
  • セキュリティ

思いのほか広い出題範囲に驚かれた方も多いのではないでしょうか。IoTは応用範囲も広いために、求められる知識の範囲もまた幅広くなります。エンジニアだからといって、技術的な点ばかりに気を取られていると、IoT時代に取り残されてしまうかも知れません。普段から幅広くアンテナを立てておくのが重要でしょう。

ちなみに、IoT検定には3段階のレベルが設定されています。現段階ではレベル1の試験のみ実施されており、また試験内容・求められるスキルレベルはレベル1、2までが策定されています。レベル3が求めるスキルレベルはこれから発表される予定ですので、受験を検討される方は定期的に公式サイトの情報をチェックすることをおすすめします。

IoTの現場において一番の課題は「ビジネスモデルの構築」

ではこの出題範囲の中で、どの分野が特に現場において求められているのでしょうか。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の調査によると、IT融合分野における課題No.1は「ビジネスモデルの構築」であることが判明しました。IoT検定のベータ版テストのアンケートにおいても、受験者が最も重要性が高いと捉えた出題分野は、IoT固有の技術ではなく「戦略とマネジメント」であり、ビジネスモデルや戦略を立てられる人への需要や関心が大きいことがうかがえます。

IoTは新しい製品価値を生み出す可能性を秘めています。しかし、だからといって新しい製品を生み出すことが簡単になるというわけではありません。エンジニアとしては、IoTの技術的側面を十分に理解しつつも、ビジネスのセンスをきちんと磨き、「売れる」IoT製品を生み出す能力を持つことが重要といえるでしょう。

IoTに関する法律はこれからますます重要に?

ベータ版テストのアンケートでは、8つの出題分野のうち最も重要度が低いと参加者が答えた「法律」分野に対して、最も難しかったという声が寄せられていました。新しい技術がゆえに、法整備も並走する形で進められており、最新の情報をキャッチアップし続ける必要があることが理由のひとつに挙げられるでしょう。ドローンに関する法整備の議論は、記憶に新しいところです。またそもそも世の中のエンジニアが、IoTに限らず法律全般に対して興味関心が薄いことも影響しているのかも知れません。

法的に認められない製品は、売れる・売れない以前に出荷というスタートラインに立つことすらできません。IoT関連の法律はエンジニアといえどウォッチしておきたい情報です。また世の中のエンジニアが「重要ではないだろう」と判断しているポイントに明るくなってこそ、他のエンジニアとの差別化が行いやすくなります。これからIoTの分野で旗揚げを狙っているエンジニアは、専門的な部分は法務部などのエキスパートに任せるとしても、きちんと動向をチェックしていくことが重要でしょう。

IoT検定の出題内容は多岐にわたっており、IoT人材は「広く深い」知識が求められることを示唆しています。そのなかでも、現場での一番の課題であるビジネスモデルの構築や、穴場となりやすい法律関連を重点的にカバーすることが、市場価値の高いIoTエンジニアを目指すうえで重要なポイントとなるでしょう。資格を取ることだけを目的にするのではなく、資格取得のための勉強を通じて、自分自身が目指す人材像に近づくことを目的にするのが重要です。

関連記事

無料メルマガに登録して最新情報を受け取ろう